2022年
04月
14日
(木)
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編集

SYさん
ご自分で撮影した資料をもとに徹底したリアリズムで描いてくれました。
質感の見事さは勿論のこと、二通りのコントラストが的確に施されているため、平面作品と思えないほどに空間感が豊かです。
私・中原は写実表現だけが優れているなどとは毛頭考えておりませんし、言うつもりもありませんが、Sさんが捉えたSさんにしか表現できない唯一無二の尊い真実がここにあると感じます。
このような写実的な表現に対してしばしば「写真みたい」という言い方をされることがありますが、私たちが見ている視覚世界が、カメラ等によってとらえられる視覚情報と機構上酷似しているためですので当然のことです。
「作品が写真に酷似している」と言えるのであれば、上のSさんの作品を撮影した画像がまさにそうですが、「写真が作品に酷似している」とも言えるはずです。
20世紀初頭以降のフォーヴィスムやアンフォルメルに「写真のようなリアリズム表現」に対するアンチテーゼとしての存在意義があったとしても、「写真と似ていないこと」だけに価値があると考えているのであれば、それはそれで安易で薄っぺらな価値観と言えなくはないかもしれません。
話は別ですが、
時にWEB上から取った画像や出版されている印刷物等をもとに描きたいとおっしゃる方がいらっしゃいますが、表現力を磨くことを目的に制作し、ご自宅内で飾って楽しむことに限るようにお願いいたします。
パブリックドメインとなっているものは別にして、基本的に写真や映像は撮影・作成した方に帰属する芸術作品と考えてください。
コンクールは勿論、個展・展覧会・SNS等、公の場に著作権者に断りなく(許可を得ずに)自分のオリジナル作品であるかのように展示・発表することは著作権上大変な問題が生じる場合がありますのでご注意ください。
すごく気に入った画像でどうしても描きたい場合は、時間と交通費を掛け、ご自分の足で元の画像の場所に行き、同じようなシチュエーションの写真を撮影して描くことをおススメします。
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