2022年
03月
05日
(土)
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中原が普段使っているパレット・スタンドです。
イーゼルに掛けた絵のすぐ横に立てて使っています。

小さな棚はオイル用の小皿などを置く部分です。
上のケースは中に紙パレットが付いていて、チューブから出した絵具を置いておく部分です。
絵具が固まり、新しい絵の具を出すスペースが無くなったら剥がして捨てます。
その下がパレットです。
中間明度のグレーのガラス板で、
作業が一段落したら、次の制作のために残っている絵具をリグロインで拭きとっておきます。
皆さん塗ってみたら「考えていた色と違った」という経験をしたことが少なからずあると思います。
グレー系の色のパレットはそうしたイメージとの乖離を大幅に少なくしてくれる効果があります。

私たちが見て感じていることは全て真実とは限りません。
上の図像の6つの星は全て同じ色なのですが、
周りの色が違うと縁辺対比という錯覚現象によって、全然違って見えてしまいます。
原因はここにあります。
ひと昔前の油彩用のパレットは木製が一般的でした。
現状、市販の紙パレットはほぼ白いものばかりです。
茶系ではありましたが、中間明度の木製のパレットは、
色を確認したり調合したりするという点では現在主流の白の紙パレットより遥に優れていたと思っています。
そうした紙パレットが、近年の美術界のクオリティーの劣化に一役買っていると中原は睨んでいます。
とは言え、使い終わったら剥がして畳んで捨てられる紙パレットの利便性を一度体験してしまったら抗えないものがありますね。
そういう訳でご紹介です。(※この記事はテレビショッピングではありません)

ホルベイン製 ペーパーパレット グレー S
ホルベインさん、ありがとう!
中原が知る限りこのパレットが唯一白くない紙パレットです。
しかし!
必ずしも優れたものが良く売れて普及するとは限らないのがこの世の中。
中原が知る限り残念ながら現在197万人が暮らしている札幌市の画材店の店頭にはこのパレットがありません。
ですが受講生の皆さんご安心ください。
当スクールでは上掲のグレーの紙パレットを常備しています。
イマジンを歌いつつ、この世界から武力による侵略と白い紙パレットが消滅する未来を願いましょう。
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