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油彩の画溶液のためのアイテム
2021年 11月 01日 (月) | 編集
市販の画溶液はある程度の大きさのボトルに入っていますが、
思っていた量より沢山出てしまったり、必ずと言っていいほどボトルから液だれしてしまいます。
中原が普段使っているアイテムをご紹介します。

シリコンの蓋 (2)

後列のボトルはインク系描画材のための詰め替え容器ですが、これに画溶液を入れて使っています。
先端が極細の金属製で一滴単位で思った通りの量を抽出できます。
シリコン製のキャップが付いていて、気密性が高いこともポイントです。
前列左が画溶液を入れるために使っている直径6cmのガラスボウル。
前列右がシリコン製の蓋です。

シリコンの蓋 (3)

軽く押し付けると、持ち上げてもボウルが付いて来るくらい気密性が良いです。

シリコンの蓋 (1)

シリコン製の蓋はマグカップ用の市販品を円切りカッターで直径7cmに切って使っています。

このように使うことで、乾性油の酸化重合反応を最小限に抑える効果が期待できます。
通常、ボトルを開け閉めする度に新たに酸素が供給され、酸化重合反応が進みます。
重合反応が進むということは、酸化力の乏しい(分子構造に二重結合・三重結合が減った)オイルに変容していくことに外なりません。
以上から、留意点は次の通りです。

1. ボトルの開け閉め(酸素の供給)を最小限にする。
2. 使い切る程度の量をボウルに抽出し、長い時間経過したオイルは使わない。
3. 使っていない時間帯は気密性の良い蓋で密閉(酸素を遮断)する。

酸化が進んでしまっているオイルかどうかは、見た目にはほぼ分かりません。
過去に「1週間経っても描いた所が全然乾いていないんです」と仰る生徒さんがいましたが、
このように、オイルの管理に気を付けてみるといいかもしれませんね。

【注】
慣用的に油絵具が「乾く」と言ったりしますが、洗濯物が乾くようなこととは全く違います。
油絵の具が固まるのは、化学反応によるものです。
分子構造に二重結合や三重結合が存在する植物性の乾性油が空気中の酸素を取り込んで高分子化する現象です。
従って油彩用としては酸化力が強い(二重結合や三重結合が多い)ほど適していることになります。
亜麻や芥子の種から抽出されるリンシードオイルやポピーオイルが使われるのはそのためです。
キッチンにある菜種油は使わないでくださいね。
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