2015年
12月
29日
(火)
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「ホーマー(ホメロス)胸像」を描いてみます。
ホーマーは紀元前8世紀末の吟遊詩人と言われています。





今回は木炭紙サイズに、ほぼ実物大で描きます。
比較的高さの低い石膏像なので、上下にも広めの余白を取りました。
初めは構図に注意しながら慎重に描きます。
顔の向きを意識し過ぎて、ついつい右側の背景(余白)を広くとってしまいがちになりますが、
基本は「面積=力」です。
つまり、「左側の余白の面積」 : 「右側の余白の面積」 = 1:1 が基本です。
木炭は特に、初めから濃く描いてしまうと綺麗に消えなくなります。
初めは細部に拘らず、単純化したイメージをもとに、大きな面で描いていきます。
例えば、顎鬚をひとかたまりとしてイメージした時、
斜め下向きの大きな面がイメージできると思います。
段階的に面を小さくしていきますが、
頭部を球体的にイメージし、
最終的に豊かな丸み(量感)が表現できることが大切です。
「コントラストによって空間感を構築する」 わけですから、
背景が白の場合、輪郭付近を必要以上に濃く描かないことに気をつけます。
ちなみに無彩色での表現においては、コントラスト(対比)は次の二つです。
①明度差
②輪郭のシャープネス
もうひとつの重要な理論としては、
「対面率と面密度は反比例する」 ということがあげられます。
トーンにばかり気を取られずに、
面の方向も描き分けることで、
一層、構造が明確になり、量感が豊かになります。
その他、シェイド(陰)とシャドー(影)、反射光にも注意して描いていきます。
今回は仕上げの段階で、補助的に鉛筆も併用しました。
制作: 中原 宣孝(講師)
使用画材: 木炭紙(650×500mm)、木炭、鉛筆、練り消しゴム、ガーゼ、馬毛の筆
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