2023年
07月
03日
(月)
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編集
「基本をしっかりと学んで欲しい」
「美大で学ぶようなことを含めて、本当に大切なことだけをお伝えしたい」
「そうしたことを学んだその先に、皆さん一人ひとりが持つ唯一無二の個性が見えてくる」
こうした理念にもとづいて、プライマリーコース以外の受講生の皆さんには必ず最初に次の2つのテーマのモチーフをデッサンしてもらっています。
①直方体を描くことをとおして透視図法の概念とその表現方法を学ぶ。
②円筒形を描くことをとおして楕円構造の概念とその表現方法を学ぶ。
そのような基本的な基礎力はこの世界の様々なものをあるがままに描く際に非常に頻繁に問われる力なのですが、
例えば直方体を描いてもらうと、最初に次のような形に表現する生徒さんが多くいらっしゃいます。

裏側なのでこちらからは見えていませんが、奥側の面の長方形を想像してみてください。
横幅も高さも手前の長方形より大きくなってしまっています。
同じ直方体を沢山用意して、後ろ側にピッタリとくっつけて並べたのを想像してみても良いでしょう。
際限なくどんどん遠くにあるほど大きくなってしまうのが分かります。
本来は逆に目の高さ(地の果ての地平線の高さ)で点にならなくてはなりません。
しかしながら、デッサンを正しく学ぶ経験をしていない方は、少なからずこのような矛盾を含んだ表現になってしまうのはごく普通に見られる現象です。

透視図法で描かれたラファエロ・サンティの作品 『アテネの学堂』(1510年/ローマ・バチカン宮殿)
天神山アートスクールではこの最も単純な幾何形体である直方体を視覚的に自然に描けるようになることからスタートします。
小さな一歩に思えるかもしれませんが、とてもとても大きな一歩だと私は考えています。
そもそもそのような透視図法を初めて正確に著したのは、レオン・バッティスタ・アルベルティが『絵画論』を書いた西暦1435年です。
先日、ロワール渓谷にあるロッシュコタール洞窟の壁画は年代測定技術によって少なくとも5万7千年以上前のものだということが分かったそうです。
だとすると、人類は透視図法を正確にデフィニションするのに少なくとも5万6千年以上を費やしたのであり、それは逆に考えると今から僅か588年前のことなのです。
そうした年月の大きさからどれ程難しい理論なのかが分かると同時に、これを学んでおかないことがどれ程勿体ないことなのかとも思います。
次の画像をご覧ください。
他のお絵描き教室に長く通っていらっしゃった高学年の小学生が最初(指導前)に描いた作品です。

その後、当スクールで描き上げた一枚目の作品です。

小さいけれど、大きな、途方もなく大きな一歩を体験していきましょう!
それはきっと、思いのままに描けるようになるための一歩。
天神山アートスクールが大切にしていること
「美大で学ぶようなことを含めて、本当に大切なことだけをお伝えしたい」
「そうしたことを学んだその先に、皆さん一人ひとりが持つ唯一無二の個性が見えてくる」
こうした理念にもとづいて、プライマリーコース以外の受講生の皆さんには必ず最初に次の2つのテーマのモチーフをデッサンしてもらっています。
①直方体を描くことをとおして透視図法の概念とその表現方法を学ぶ。
②円筒形を描くことをとおして楕円構造の概念とその表現方法を学ぶ。
そのような基本的な基礎力はこの世界の様々なものをあるがままに描く際に非常に頻繁に問われる力なのですが、
例えば直方体を描いてもらうと、最初に次のような形に表現する生徒さんが多くいらっしゃいます。

裏側なのでこちらからは見えていませんが、奥側の面の長方形を想像してみてください。
横幅も高さも手前の長方形より大きくなってしまっています。
同じ直方体を沢山用意して、後ろ側にピッタリとくっつけて並べたのを想像してみても良いでしょう。
際限なくどんどん遠くにあるほど大きくなってしまうのが分かります。
本来は逆に目の高さ(地の果ての地平線の高さ)で点にならなくてはなりません。
しかしながら、デッサンを正しく学ぶ経験をしていない方は、少なからずこのような矛盾を含んだ表現になってしまうのはごく普通に見られる現象です。

透視図法で描かれたラファエロ・サンティの作品 『アテネの学堂』(1510年/ローマ・バチカン宮殿)
天神山アートスクールではこの最も単純な幾何形体である直方体を視覚的に自然に描けるようになることからスタートします。
小さな一歩に思えるかもしれませんが、とてもとても大きな一歩だと私は考えています。
そもそもそのような透視図法を初めて正確に著したのは、レオン・バッティスタ・アルベルティが『絵画論』を書いた西暦1435年です。
先日、ロワール渓谷にあるロッシュコタール洞窟の壁画は年代測定技術によって少なくとも5万7千年以上前のものだということが分かったそうです。
だとすると、人類は透視図法を正確にデフィニションするのに少なくとも5万6千年以上を費やしたのであり、それは逆に考えると今から僅か588年前のことなのです。
そうした年月の大きさからどれ程難しい理論なのかが分かると同時に、これを学んでおかないことがどれ程勿体ないことなのかとも思います。
次の画像をご覧ください。
他のお絵描き教室に長く通っていらっしゃった高学年の小学生が最初(指導前)に描いた作品です。

その後、当スクールで描き上げた一枚目の作品です。

小さいけれど、大きな、途方もなく大きな一歩を体験していきましょう!
それはきっと、思いのままに描けるようになるための一歩。
天神山アートスクールが大切にしていること
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